薬剤師BLOGS
Pharmasist's Blog

2026.10.29

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【クイズ】どの腰痛症状?『椎間板が徐々に薄くなることで椎骨同士が不安定になってぶつかり、その摩擦によって骨棘(こつきょく)ができ、これが脊柱管を狭くすることで痛みやしびれなどを引き起こす。』

病気やけがなどによる自覚症状で最も多いのは男女ともに腰痛で、通院の理由として最も多いのは男女ともに高血圧症であることが、厚生労働省が2025年に実施した国民生活基礎調査で判明したというニュースを見た方も多いかもしれません。

これから冬になると、寒さの影響で、腰痛を訴える人や症状が悪化する人が増える時期でもあります。
今日は多くの人を悩ませる「腰痛」についてのクイズを準備しました。
腕試しにチャレンジしてみてください。

問題

以下の説明に該当する疾患は①~⑤のうちどれでしょう?

椎間板が徐々に薄くなることで椎骨同士が不安定になってぶつかり、その摩擦によって骨棘(こつきょく)ができ、これが脊柱管を狭くすることで痛みやしびれなどを引き起こします。

① 変形性脊椎症
② 脊髄損傷
③ 三叉神経痛
④ 二分脊柱
⑤ 脊柱側弯症

 正解

① 変形性脊椎症

問題文は変形性脊椎症の説明です。さらにその椎骨の変形が進行して大きくなると、脊柱管が狭くなり、脊髄(馬尾)神経や神経根への圧迫が強まります。
これにより、下肢の痛みやしびれ、間歇跛行(かんけつはこう)などを生じます(腰部脊柱管狭窄症)。

腰部変形性脊椎症について

腰椎の椎間板や椎間関節において、加齢や運動、労働などにより椎間板が徐々に薄くなると、椎骨同士が不安定になります。
それらがぶつかり合い、摩擦によって骨の棘(骨棘:コツキョク)ができ、これが脊柱管を狭くすることで痛みやしびれなどを引き起こします(腰部変形性脊椎症)。
椎骨の変形が進行して大きくなると、脊柱管が狭くなり、脊髄(馬尾)神経や神経根への圧迫が強まり、下肢の痛みやしびれ、間歇跛行(※)などを生じます(腰部脊柱管狭窄症)。


治療は保存療法が基本となりますが、保存療法の効果が見られず日常生活が制限されるような場合には、手術が適応されます。
痛みが和らいだ頃には、再発予防の意味も含め、腰椎を保つために腹筋・背筋の運動や適正体重の維持を指導します。
加齢や日常生活での負荷が発症に関連しているため、症状が改善した後も長期にわたる経過観察が必要です。
※ 間歇跛行(カンケツハコウ):歩行を続けると下肢の痛みやしびれにより歩けなくなり、少し休むとまた歩けるようになる状態のことです。

腰痛の薬物治療

腰痛に対する薬物療法は有用です。急性腰痛では、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の評価が高くなっています。
その他に、筋弛緩薬やアセトアミノフェン、弱オピオイド、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤が用いられることがあります。
慢性腰痛においては、NSAIDsのエビデンスがB(効果の推定値に中等度の確信がある)であるのに対し、SNRI(デュロキセチン、商品名:サインバルタ)や弱オピオイドのエビデンスはA(効果の推定値に強く確信がある)と位置付けられています。


なお、慢性腰痛に対して強オピオイドは有効ですが、長期使用により過量使用や依存が生じることがあります。
そのため、まずは強オピオイド鎮痛薬以外の治療法を検討し、強オピオイド鎮痛薬を使用しなくてはならないほどの器質的疾患が存在し、副作用(依存)を上回る有用性が期待できる場合にのみ使用を検討すべきです。
使用する場合には、できるだけ短期間かつ低用量にとどめ、厳重な注意が必要です。

腰痛の非薬物療法と予防

  • 運動療法
  • 運動療法は、慢性腰痛の治療や腰痛予防に有用です。具体的には、体幹筋力の強化やストレッチなどが挙げられます。 体幹筋力が低下すると腰痛を引き起こしやすくなるため、体幹筋力を強化する運動(腰痛体操)が重要です。 腰痛体操とは、腹筋・背筋の強化だけでなく、腰椎の前弯(ぜんわん)を強めない姿勢を保ち、腰椎周囲の軟部組織の柔軟性も獲得するための体操です。 高齢者の方では、骨粗鬆症によって脊椎の後弯(こうわん)が強くなる傾向があるため、腹筋よりも背筋の強化訓練を中心とした体操が効果的です。

  • コルセット
  • 急性腰痛に対する局所の安静や、慢性腰痛の悪化を防ぐ目的で、腰椎コルセットやベルトが用いられます。しかし、長期間使用すると筋力の低下を招き、かえって腰痛を悪化させることがあります。そのため、漫然と長期間着用するのではなく、短期間の着用をおすすめします。なお、コルセットには腰痛に対する直接的な予防効果はありません。

  • 活動性の維持
  • 腰痛を発症した後、ベッドなどで安静にしているよりも、痛みに応じて早期から活動性を維持する方が、再発を防ぐために有効です。職業性腰痛の再発予防に関しても、早期の職場復帰が有効と考えられています。

  • その他
  • 肥満があると相対的に腹筋が弱くなり、骨盤の傾きが大きくなって腰椎の前弯が強まるため、腰痛の原因になりやすくなります。したがって、適正体重の維持が重要です。また、一般的な腰痛教育(腰に負担がかからない荷物の持ち方の説明や、腰痛予防の教育など)や、認知行動療法(痛みに関する誤った認識を正し、痛みがあってもできることを増やしていく治療法)なども有効です。


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