朝晩の冷え込みが強まり、本格的な秋の訪れを感じる季節となりました。 秋から冬にかけては、小児や若い世代を中心に「マイコプラズマ肺炎」が流行しやすい時期でもあります。窓口でも、マクロライド系などの抗菌薬の処方箋を目にする機会が増えてきているのではないでしょうか。
今回は、これからの時期に実務で役立つ「マイコプラズマ肺炎の治療薬」に関するクイズです。知識の再確認として、ぜひ挑戦してみてください!
問題
肺炎治療において、マイコプラズマ肺炎に対して使用が推奨されない薬剤は次のうちどれでしょうか。
- ① クラリスロマイシン
- ② ミノサイクリン
- ③ アジスロマイシン
- ④ セファクロル

正解
④ セファクロル
マイコプラズマは細胞壁を持たないため、βラクタム系抗菌薬(セファクロルなど)のような、細胞壁の合成を阻害する抗生物質には反応しません。
そのため、治療にはマクロライド系、テトラサイクリン系、ケトライド系の薬剤が使用されます。
市中肺炎の初期治療(エンピリック治療)について
市中肺炎の治療において重要な原因菌は、頻度が高く重症化しやすい「肺炎球菌」と「インフルエンザ菌」です。 若年者の場合は肺炎マイコプラズマの頻度が高く、軽症例が多く見られます。
慢性心肺疾患などの基礎疾患がある場合は、肺炎球菌やインフルエンザ菌のほかに「モラクセラ・カタラーリス」を、高齢者では「口腔内レンサ球菌」や「嫌気性菌」を考慮します。また、頻度は高くないものの、重症化する危険のある「レジオネラ」も考慮する必要があります。
外来において、軽症~中等症肺炎の治療によく用いられる抗菌薬は以下の通りです。
- βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬
(スルタミシリン、アモキシシリン・クラブラン酸など)
細菌性肺炎が疑われる場合に使用されます。 - マクロライド系薬
(クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど)
非定型肺炎が疑われる場合に使用されます。 - レスピラトリーキノロン
(ガレノキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シタフロキサシン、トスフロキサシンなど)
慢性の呼吸器疾患がある場合の第一選択薬となります。
トスフロキサシン以外は結核に対する抗菌力があるため、使用時は結核の有無を慎重に判断する必要があります。
市中肺炎における大部分の原因菌をカバーし治療効果も高いですが、耐性菌の出現を考慮して濫用を避け、本当に必要な状況であるかを吟味することが求められます。
市中肺炎で最も頻度が高い原因菌は肺炎球菌ですが、軽症例では肺炎マイコプラズマも多く見られます。
そのため、細菌性肺炎が疑われる場合はペニシリン系薬を、非定型肺炎が疑われる場合はマクロライド系薬を選択するという鑑別基準が設けられています。
この鑑別は、菌の耐性化を防ぎ、耐性菌の蔓延を抑止し、医療資源の有効性を維持するために非常に重要です。
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