2024年2月14日に公開された令和6年度診療報酬改定に関する答申より、かかりつけ薬剤師に関する内容について、こちらの記事では解説を致します。
かかりつけ薬剤師以外でも特例算定が可能に
服薬情報の一元的・継続的把握の観点から、かかりつけ薬剤師以外が指導する場合の要件が緩和されました。
- ≪ポイント≫
- これまで:1名までの保険薬剤師に限る
- 令和6年度調剤報酬改定:当該保険薬局における常勤の保険薬剤師(かかりつけ薬剤師指導料等の施設基準を満たす薬剤師)であれば複数人でも患者にあらかじめ同意を得ることで特例を算定可能
かかりつけ薬剤師指導料等を算定する患者に対して、かかりつけ薬剤師以外がやむを得ず対応する場合、かかりつけ薬剤師指導料等の施設基準を満たす薬剤師であれば、患者にあらかじめ同意を得ることで複数人でも特例の算定が可能に。
↓
[算定要件]
13 服薬管理指導料の特例(かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が対応した場合)
[施設基準]
1 「かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師」は以下の要件を全て満たす保険薬剤師であること。
- (3)当該保険薬局に週32時間以上(32時間以上勤務する他の保険薬剤師を届け出た保険薬局において、保険薬剤師について育児・介護休業法第23条第1項若しくは第3項又は第24条の規定による措置が講じられ、当該労働者の所定労働時間が短縮された場合にあっては週24時間以上かつ週4日以上である場合を含む。)勤務していること。
- (4)薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得していること。
- (5)医療に係る地域活動の取組に参画していること。
これまで同意を結んだ薬剤師が休みだった場合、 点数をカバーするために同意書に記載された特定の薬剤師が対応をする必要がありましたが、 かかりつけの要件を満たした他の薬剤師全員も服薬管理指導料の特例(59点)が算定できるということです。
地域支援体制加算ではかかりつけの実績が必須に
地域支援体制加算では、薬局の地域におけるかかりつけ機能を適切に評価する観点から、薬局の体制に係る評価体系の在り方を見直し、地域支援体制加算の要件が強化されました。
[施設基準]
(1) 以下の区分に応じ、それぞれに掲げる基準を満たすこと。
ア 地域支援体制加算1
(イ) 調剤基本料1を算定している保険薬局において、地域医療への貢献に係る十分な実績として、以下の①から⑩までの10の要件のうち、④を含む3項目以上を満たすこと。
こちらの内容から分かるように、地域支援体制加算の基準の内、かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料の算定実績20回以上は必須の条件となってきます。これまで地域支援体制加算1の要件は、かかりつけの届け出を出していればよかったので、今まで算定してきていない薬局にとっては大きなハードルとなるでしょう。
まとめ
以上、令和6年度の調剤報酬改定の資料からかかりつけに関する内容を解説致しました。かかりつけ薬剤師指導料が点数化された2016年から間もなく10年。今回の改定は、薬局全員に認定薬剤師をとって、かかりつけの実績を作っていくことが求められる内容だと思います。
かかりつけの要件を満たした薬剤師であれば、かかりつけの同意を取った患者に対し、服薬管理指導料(59点)の算定が可能
地域支援体制加算ではかかりつけ薬剤師指導料の算定実績が必須に