薬剤師が取れる資格
目次
1.認定薬剤師・専門薬剤師を取得してキャリアアップ
薬剤師としてレベルアップを希望するのであれば、関連資格として認定薬剤師・専門薬剤師があります。研修に一定時間参加する、試験に合格するなどで資格取得が可能です。
2.認定薬剤師について
薬剤師の生涯学習をサポートするため研修認定薬剤師制度が始まり、この制度の者で所定の研修を受けた人が研修認定薬剤師として認められます。研修認定薬剤師は、今後需要が高まると予想されているかかりつけ薬剤師になるための算定条件の一つとなっており、今注目されている薬剤師の関連資格と言えます。
3.小児薬物療法認定薬剤師
小児科領域で専門的な知識・スキルを獲得したければ、小児薬物療法認定薬剤師の資格があります。小児病棟などで勤務できるチャンスも広がり、医療チームの一員として医薬品に関する助言ができます。
4.精神科薬物療法認定薬剤師
うつ病などが社会でも広く認知されるようになって、メンタルヘルスにも注目が集まっています。精神科薬物療法認定薬剤師は精神科分野で薬学の専門的な知識やスキルを獲得したい人におすすめの資格です。
認定薬剤師・専門薬剤師を取得してキャリアアップ
薬剤師でキャリアアップ・スキルアップをしたいと思っている人もいるでしょう。キャリアアップ・スキルアップするためにはいろいろな方法があるといえますが、そのなかのひとつに関連資格を取得する方法があります。

なかでもおすすめなのが、認定薬剤師・専門薬剤師です。認定薬剤師・専門薬剤師になると、特定の分野における専門性の高い知識やスキルを持っていることの証明になります。
認定薬剤師・専門薬剤師は、研修に一定時間参加する、試験に合格するなどで資格取得が可能で、いろいろな団体が主催しています。 まず自分が今後どのようなジャンルで薬剤師として活躍したいかを決めましょう。そのうえで、その分野に進むにあたって有利になる資格を取得するといいでしょう。
認定薬剤師について
認定薬剤師は、今後需要が高まると予想されているかかりつけ薬剤師になるための要件の一つとなっており、今注目されている薬剤師の関連資格と言えます。
薬剤師は生涯にわたって自己研鑽を続ける必要があります。薬学は現在も進化を続けている分野ですし、新薬やジェネリック医薬品も次々と登場しているからです。また医療に対する需要や社会要請も時代によって変わってきます。このように日々変化する環境でもベストを尽くすためには、薬剤師の資格を取得してからも自分を磨く必要があるわけです。この自己研鑽をサポートするためにスタートしたのが、認定薬剤師制度です。この制度の元で学び、基礎薬学や医療薬学、衛生薬学、薬事関連法規などについて所定の研修を受けた人が認定薬剤師として認められます。
認定薬剤師になるためには、4年間で40単位以上の研修に参加する必要があります。その上で申請手続きをすることによって、資格取得できます。ただし認定薬剤師は更新制を取っていますので、資格を取ればそれでおしまいというわけではありません。3年に1回更新手続きをする必要があり、更新期間までに30単位以上の研修を受ける必要があります。
小児薬物療法認定薬剤師について
小児ケアに興味のある薬剤師であれば、小児薬物療法認定薬剤師の資格取得を目指すといいでしょう。小児薬物療法認定薬剤師は、日本薬剤師研修センターと日本小児臨床薬理学会が認定している資格です。文字通り、小児科領域で使われる医薬品に関する専門的な知識・スキルを持っていることを証明する資格です。
医療チームの一員として専門知識を生かして、ほかのスタッフに進言・助言ができます。また患者やその保護者に対して医薬品に関する指導を行うことができる資格になります。小児薬物療法認定薬剤師は2012年に制定された比較的新しい認定資格になりますので、まだ資格保有者は多くありません。
取得するためには、日本薬剤師研修センターと日本小児臨床薬理学会の所定の研修をまず修了した上で。試験に合格する必要があります。こちらの資格も3年ごとに更新をしなければならず、そのためには講習を受ける必要があります。
小児薬物療法認定薬剤師でいるためには、常に小児関係の薬物に関する知識習得・スキル向上に努めることが求められます。小児薬物療法認定薬剤師になると、調剤薬局のほかにもNICUを設置しているような小児病棟で勤務できる可能性があります。
精神科薬物療法認定薬剤師について
うつ病などが世間一般でも広く認知されるようになって、メンタルヘルスの問題で病院を受診する人も増えています。精神科領域の治療法として、抗うつ剤などの薬物療法が取られることも多いです。このような精神科関係の薬物療法に興味がある、専門的な知識を身に着けたいと思っているのであれば、精神科薬物療法認定薬剤師の資格取得を目指すといいでしょう。
精神科薬物療法認定薬剤師の資格を取得すると、精神科領域に関係する薬剤の管理や情報を提供することができます。精神疾患が広く注目されるようになって、精神科の薬物療法の存在感が日増しに高まっています。精神科薬物療法認定薬剤師の資格を持っていると、精神科のある病院や精神疾患を取り扱っているクリニックからの需要も高くなります。服薬指導など患者さまとのコミュニケーションも多い病院・クリニック勤務の場合、このような資格をもっていることは周囲からの信頼へとつながるでしょう。
精神科薬物療法認定薬剤師は、日本病院薬剤師会というところが主催しています。また精神科分野でキャリアアップしたいと思っているのであれば、精神科薬物療法認定薬剤師の取得後精神科専門薬剤師の資格取得を目指す人が多いです。精神科専門薬剤師は精神科薬物療法認定薬剤師の資格を持ち、精神科領域に関する学会発表や学術論文発表、病院長の推薦等が必要となります。受験するにもハードルが高い資格となっています。
緩和薬物療法認定薬剤師について
がんは早期発見できれば治療できる可能性がある病気ですが、発見が遅れると完治が難しく、命に係わる可能性が高くなります。実際日本人のおよそ3人のうち1人はがんで亡くなっています(※)。 そのような中、平成19年4月には「がん対策基本法」という法律が新たに施行されました。この中では在宅における緩和ケアの充実を図ることが目的になっています。そのような背景もあって、末期がんなど治癒が難しくなった患者を対象として、痛みで苦しむことなく最期の日々を送れるような緩和ケアが注目を集めています。
実際ホスピスや緩和ケア病棟を導入している医療機関も増えてきています。緩和ケアが注目を集めるようになって、薬剤師の存在もクローズアップされつつあります。モルヒネなどの医療用麻薬を使用することで、痛みに苦しむことなく自分らしく生きることが可能になるからです。
このような緩和ケアにおける薬物療法の専門的な知識・スキルを獲得したければ、緩和薬物療法認定薬剤師の資格がおすすめです。緩和ケアの医療チームに緩和薬物療法認定薬剤師の資格を持った薬剤師が加わることで、チーム医療にも貢献でき、活躍できる範囲も広がっていくでしょう。
※厚生労働省「人口動態統計」2016より