認定薬剤師の都道府県別の割合
目次
1.G01日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師はおよそ9.7万人登録している
認定薬剤師は2018年3月末の時点でおよそ9.7万人登録されています。その中の半数以上が新規認定者なので、急速に認定薬剤師の資格を取得する人が増えていることがうかがえます。
2.どの都道府県に認定薬剤師は多いのか?
日本薬剤師研修センターでは、都道府県別の認定薬剤師の割合も公表しています。それを見ると、東京や神奈川、大阪、兵庫、愛知のような都市部の方が登録している認定薬剤師の数は多いです。
3.割合でみるとランキングが変わってくる
数でみると都市部の方が認定薬剤師は多いですが、もともと薬剤師も多い傾向があります。割合でみると、都市部よりもむしろ地方の方が割合が高くなっています。
4.日本全国的に増える認定薬剤師の需要
高齢社会が進む中で、薬剤師のような医療関係者の需要が高まっています。かかりつけ業務も新たに加わりましたので、認定薬剤師のような専門性の高い人材を求める薬局が全国的に増えています。
日本全国に研修認定薬剤師は8万人登録している
認定薬剤師は、「自己研鑽により素質向上努力を継続している」と認められた薬剤師に対して与えられる資格です。認定薬剤師を認定している認定薬剤師認証研修機関(プロバイダー)は複数ありますが、今回は認定薬剤師の登録数がもっとも多い公益財団法人日本薬剤師研修センター認定の研修認定薬剤師数を見てみましょう。

2018年3月31日現在で、全国に認定薬剤師の資格を持った人が97,355名います。この中で新規認定者は66,192名で、更新認定者は31,163名となっています。更新認定者よりも新規認定者が多いということは、それだけ近年研修認定薬剤師の資格取得を希望する人が増えていることを表しています。
どの都道府県に認定薬剤師は多いのか?
日本薬剤師研修センターでは、都道府県ごとの認定薬剤師数をホームページ上で公開しています。
全国47都道府県のうち、認定薬剤師の数が最も多いのは東京都です。東京都の2017年6月30日時点で登録している認定薬剤師の数は9,529人に達します。ちなみに日本全国の認定薬剤師の中で占める割合は、11%強です。
次に登録している認定薬剤師の数の多いのは、神奈川県です。神奈川県で認定薬剤師として登録している数は6,566人となっています。これも日本全国の認定薬剤師に対して占める割合を算出してみると、8%弱になります。つまり東京と神奈川だけで、日本全国の認定薬剤師のおよそ2割を占めている計算になります。
その他にも大阪の6,100人・兵庫の4,611人・愛知の4,516人・埼玉の4,785人・千葉の3,889人といったように都市部や都市圏の方が認定薬剤師の数の多い傾向が分かります。
ちなみにもっとも認定薬剤師の登録数の少なかったのは、鳥取県です。鳥取県の登録者数は333人でした。最も多い東京と比較して、1/28程度の認定薬剤師しかいないという計算になります。
割合でみるとランキングが変わってくる
実は東京は認定薬剤師の数は多いですが、薬剤師全体に占める割合はあまり高くないです。認定薬剤師の薬剤師に占める割合は、20.6%となります。
都道府県別にみると、石川の17.0%・沖縄の18.4%に次いで低い数値で、ワーストスリーになってしまいます。次に多かった神奈川も、薬剤師が21,541人いますので薬剤師に占める割合で見てみると30.5%と全国平均とあまり変わらない割合になります。
では薬剤師に占める認定薬剤師の割合の高い所はどこでしょうか?都道府県別で見てトップは、鹿児島県です。鹿児島県には1,242名の認定薬剤師が登録しています。薬剤師は3,043名で、占める割合は40.8%に達しました。次いで割合の高かったのは、青森県です。青森県の認定薬剤師の登録者数は853人です。一見すると少ないような印象があるかもしれませんが、薬剤師の数全体も2,111人しかいません。このため、薬剤師全体に対する認定薬剤師の占める割合は40.4%となります。
続いて秋田県40.1%、奈良県39.8%、新潟県39.5%、北海道38.3%、三重県37.3%、佐賀県36.4%、島根県36.0%となります。いずれも都市部ではなく、地方と言われる地域です。数的に最も登録している研修認定薬剤師の少ない鳥取県でも割合で見れば30.5%と東京よりも割合は高くなりました。このように研修認定薬剤師へのステップアップは、むしろ地方の方が熱心であるという興味深いデータも出ています。
日本全国的に増える認定薬剤師の需要
高齢社会が今後ますます進みますので、薬剤師のような医療に携わるスタッフの重要性はますます高くなります。その中でも専門的な知識・スキルの持っていることが客観的に証明できる認定薬剤師の存在感はどんどん増しています。
しかし、都市部ではそれほど認定薬剤師の資格を持っている人の割合が高くありません。今のうちに資格取得しておけば、薬剤師としてステップアップする際に有利に働く可能性は高いです。地方でもまだ3~4人に1人程度しか認定薬剤師はいないので、資格取得しておいて損はないでしょう。
またかかりつけ業務が平成28年から新設され、かかりつけ薬剤師の算定条件の一つである認定薬剤師の需要は高まっています。より良い職場で業務をしてみたい、キャリアアップしたいと思っているのであれば、認定薬剤師の資格取得を目指してみるのはいかがでしょうか。
