認定薬剤師とは
目次
1.認定薬剤師ってなに?認定薬剤師とは、「自己研鑽により資質向上努力を継続している薬剤師」として、有効期限を設けた証明を受けた薬剤師のことです。 キャリアアップのために欠かせない資格といえます。
2.認定薬剤師のメリット地域包括医療システムのなかでかかりつけ薬剤師として差別化された職務に携われる資格で、認定薬剤師の取得を希望する人が年々増えています。 これは認定薬剤師の取得にメリットがあるからで、薬剤師としてのステップアップや転職の機会向上、待遇改善などの効果が期待できます。
3.認定薬剤師のなり方認定薬剤師になるためには、5つのステップを踏む必要があります。 研修認定薬剤師には種類がいくつかあって、履修すべき単位が変わってきますので研修プログラムがどうなっているかあらかじめ確認しておきましょう。
4.認定薬剤師の種類認定薬剤師を希望するのであれば、まずはどの認定薬剤師認証研修機関(研修プロバイダー)で資格を取得するかを決める必要があります。主なものでも20種類以上あるといわれていて、資格取得の条件や基準が違ってくるので注意しましょう。
認定薬剤師ってなに?

研修認定薬剤師制度とは、一定の期間、集合研修や自己研修により、定められた単位を取得することで、「自己研鑽により資質向上努力を継続している薬剤師」として、有効期限を設けた証明を受ける事ができる制度です。
認定薬剤師とは、この制度のもと、倫理、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学及び薬事関連法規・制度など、良質の薬剤師業務を遂行するために自己研鑽した成果について、一定期間内(新規4年以内、更新3年毎)に所定の単位を取得したことを申請し、認定された薬剤師のことです。
2016年の診療報酬改定では、高齢者医療の地域包括ケアシステムの構築に向けて「かかりつけ薬剤師指導料」という項目が新しく設置され、薬局で正式にかかりつけ薬剤師制度がはじまりました。
この制度では全ての薬局がこの指導料を請求できるわけではなく、一定の施設基準と認定薬剤師の配置が必要となります。よってかかりつけ薬剤師指導料の算定を目指す上で、「認定薬剤師」の取得を推進することが予想されています。
「薬剤師として専門性の高い知見・スキルを獲得してキャリアアップしたい」「今後の転職で武器になるような付加価値を身につけたい」と考えている薬剤師にとって、認定薬剤師の資格はうってつけの資格といえます。
薬剤師の職能が高齢医療のなかで需要が高まるなか、医療現場で薬剤師の職能責務をまっとうするために、資格取得後も自己研鑽を続ける必要があります。また、かかりつけ薬局の算定基準に認定薬剤師制度が導入された背景に、高齢化社会の中で医療サービスを受ける人が増加したこともありますが、そのニーズも多様化しています。
このような需要の高まりに対応するために、かかりつけ薬剤師制度の導入をはじめとして医療制度の改革が行われています。多様化したニーズに応えられる認定薬剤師の需要は、今後も高まることでしょう。
認定薬剤師のメリット

薬剤師を取り巻く環境が変化したことで、以前と比較してより専門性の高い知見やスキルが求められるようになってきています。
このニーズにこたえるため、薬剤師は最新の薬学や医療業界の情報に広く理解している必要があります。今まで以上に自己研鑽を続けることで、薬剤師として成長を続けることが求められつつあります。
その結果、認定薬剤師の資格が注目を集めるようになってきています。実際に認定薬剤師の資格の取得希望者は年々増加しています。その背景としては、資格取得することで、いろいろな恩恵を受けられるからということが挙げられます。
その中でも最も大きいのは、他の薬剤師と差別化できステータスを上げることができる点です。薬剤師の資格を取得すると、現在は更新がなく、一生薬剤師免許を活かして仕事ができます。
これは、薬剤師の資格を取得するために一定期間勉強すれば、資格取得以降は勉強する必要がないという見方もできます。しかし実際に薬剤師の仕事が勉強せずに務まるかというと、決してそうではありません。医療は日進月歩で常に進化していますし、法律や制度もどんどん変わっていく中、患者さまに最新の医療サービスを提供するには日々最新の知見を身に着ける必要があります。
認定薬剤師の資格を取得すると、このような最新の知見についても精通していることの証明になります。薬剤師免許と異なり、認定薬剤師はいったん資格を取得した後でも更新しなければ資格を持ち続けることはできません。資格を持ち続けるには、その都度、最新の知見について勉強する必要があります。
認定薬剤師のなり方

認定薬剤師の資格取得するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。大きく5つのステップがありますので、順を追って説明していきます。
まずは薬剤師研修手帳を入手する必要があります。薬剤師研修手帳は、研修プログラムを受講することでもらえる受講シール(単位のシール)を張り付け、研修内容を記録し、最終的に資格を申請するのに使います。薬剤師研修手帳は、薬剤師認定制度認証機構(CPC)認証された認定薬剤師認証研修機関(研修プロバイダー)で購入することができ、原則手帳はどこのものを利用してもかまいません。
続いて、実際に研修プログラムに参加します。研修プログラムに参加することで申請に必要な受講シールを受け取ることができます。認定薬剤師認証研修機関で取得した単位は原則として相互に互換性があり、どの研修機関でも有効です。しかし、研修機関ごとに他研修機関発行の受講シール受け入れ条件は異なります。制限がある場合もありますので、詳細は各研修機関のホームページをご確認ください。
新規申請は4年以内に40単位以上(各年5単位以上)、更新は3年間では30単位以上(各年5単位以上)が必要です。年間で取得できる単位に制限のある講座もありますので、スケジュールをあらかじめ立てておいて計画的に受講するといいでしょう。
3つ目のステップは最初に説明した薬剤師研修手帳に受講シールを貼り付ける工程です。研修手帳は大切な申請書類になります。受講シールを貼付するだけではなく、受講内容の記録などもしっかり記入しましょう。
4つ目のステップは申請手続きです。認定薬剤師を取得するために必要な単位をすべて取り終えたのであれば、申請を行います。薬剤師研修手帳などの必要書類を準備して申請書を作成して提出します。このとき認定手数料が必要になりますので、注意しましょう。
最後に認定薬剤師の認定です。もし上で紹介した申請手続きに不備がなければ、晴れて認定薬剤師として認められ、認定薬剤師証が発行されます。認定薬剤師証には、薬剤師認定制度認証機構(CPC)のロゴマークが入り、どの認定薬剤師認証研修機関(研修プロバイダー)が認定してもすべて同等となります。 ただし認定薬剤師になればそれでおしまいではなく、3年毎に更新しなければならないので失効しないように注意しましょう。